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感動体験!憧れのパラグライダーで伊那谷を飛んでみた
ASOBINA(アソビナ)
2020年6月に伊那市横山にオープンしたばかりのアクティビティ施設“ASOBINA”で、パラグライダータンデムフライトを体験してきました。風を受け大空高く舞い上がるパラグライダ―。タンデムフライトは、パイロットが一緒に飛びながら、その操縦で楽しむ初心者向けのフライト体験です。今回お世話になったパイロットはASOBINAの代表でプロパイロットの呉本圭樹さん。なんとパラグライダーの日本記録保持者です。これなら安心!身も心も委ねて、大空の散歩を満喫、夏の伊那谷の眺望を満喫しました。
テイクオフポイントは標高1,300m
パラグライダーで空に飛びだすテイクオフポイントは、標高1,300mの鳩吹山の山頂。ASOBINAのベース(受付)から車で急坂を駆け上がり、さらに徒歩で200mほど登ると到着します。この日は少しかすんでいましたが、仙丈ヶ岳を中心に左右に連なる南アルプス連峰や、天竜川をはさんで広がる伊那谷が望める、素晴らしい眺望です。「江戸時代までは高遠城の狼煙台だったので、鳩吹山城址と呼ばれているんです」。呉本さんが指した方向を見ると、桜で有名な高遠城の城跡も望むこともできました。
飛んだ!斜面を駆け、グワッと空へ
「ここから飛ぶの?」「本当に飛ぶの?」……風が止むのを待っている間に、少しおじけづいた気持ちも出てきました。そんな私の気持ちとは裏腹に、「そろそろ行きましょうか」と呉本さんの何気ない一言。タンデム飛行ですので、パイロットは私のすぐ後ろに寄り添うように立っています。その声に背中を押されるように、大きく深呼吸して、覚悟を決めました。



「ゴー!」。一緒に空に向かってダッシュ!「走って走って!」「足を止めないで」……。呉本さんと一緒に疾走します。短い斜面はあっという間に終わり、グワッと持ち上げられるような感覚の後、地面がサーッと遠ざかり、無事に離陸できたことが分かりました。
風の音の聞きながら空中散歩
離陸後は、ハーネスに深く腰掛けて姿勢を安定させます。あとは何をしても自由です。ゴーっという風の音はしますが、不安定な感じは全くありません。「爽快」というか「豪快」というか……何か解き放たれたような感覚です。興奮した気持ちを落ち着かせながら真下を覗くと、鳩吹公園の風車時計の赤い屋根や鳩吹湖の湖面が見えました。

「へぇ~こんなに高いところを飛んでいるんだ」。下から見ればとても高いところを飛んでいるのに、どこか現実感が伴わない気楽な感想が口をついて出てきました。
晴れていれば、こんな眺望
視界は少しかすんでいたため、南アルプス一望とまではいきませんでしたが、晴れ渡っていれば南アルプスだけでなく、八ヶ岳、美ヶ原や遠く北アルプスまで見られるそうです。右へ左へ旋回しながら空中散歩をしていると、真下に広がる伊那谷の田んぼの美しさに目を奪われます。徐々に高度が下がってきているので、ASOBINAのベースもはっきり見えました。

着陸地点は田んぼの中にある牧草地です。吹き流しを目印にどんどん高度を下げて、無事に着陸。あっという間の空中散歩でした。
少しも怖くなかった空中体験
今回のフライトでは、離陸から着陸までまったく怖さを感じませんでした。それは、パイロットの操縦技術のおかげ。風に合わせて見えないところで小刻みにコントロールをしてくれているそうで、安定感はバッチリ。

車酔いをしやすい人は、パラグライダーでも酔ってしまうことがあるそうです(左右だけでなく、上下の動きも加わるため)。「山頂に登る車の中で酔いそうだなと感じた人には、パラグライダーで旋回する時に目印を見せながら、進む方向を示すなどの心配りもしている」と呉本さん。さすがプロ、細かい心づかいもされているのですね。
それにしても、エンジンも何もついていないパラグライダーが、なぜスイスイ空を飛べるのでしょうか? 実は飛ぶ前にお聞きしました。今回使ったパラグライダーの大きさは約24㎡で、上級者になればなるほど幅が狭く、長さが長くなるそうです。ポケットのようになっているところに空気が入ると、翼の形になります。この形ができると、流体力学の影響で上昇力が生まれ、宙に浮くことができるのだとか。

パラグライダー本体とは、ハーネスという大きなリュックサック型のものでつながり、落下防止用の金具もつけるので、翼と一体になって風を受け止めることができるのだそうです。
伊那谷はパラグライダーに適した土地 呉本さんに聞く
パラグライダー競技で世界中の空を飛んできた呉本さんに、伊那谷の魅力を聞きました。

2つのアルプスに囲まれた稀有な地形は、午前中は西(中央アルプス)の斜面が温められ、午後は東(南アルプス)の斜面が温められるため常に上昇気流が発生しやすく、パラグライダーにはとても適した場所なのだそうです。上級者なら、伊那谷を北から南へ、そして旋回してまた北へ、と飛び続けられるとか。

伊那谷ではよく鳶(トビ)が羽を大きく広げて風に乗って飛んでいる姿を見かけますが、タンデム体験では本当に自分が鳥になった気分が味わえます。皆さんもぜひ、伊那谷を空から眺めてみませんか?
ASOBINAへのアプローチにも見どころがいっぱい
“ASOBINA”では、パラグライダータンデムフライトやパラグライダー体験の他にも、マウンテンバイクガイドツアーやオフロードバギー、SUPなど、伊那谷の自然や地形を存分に生かした様々なアクティビティ体験ができます。
ASOBINAのベース(受付)は、中央道の小黒川スマートインターチェンジを出て辰野・駒ヶ根方面に左折後直進し、10分ほど走ったところにあります。

途中のりんご畑を抜けるとシードル(りんごのワイン)を製造販売するカモシカシードル醸造所があります。アジア最大のコンクールで世界金賞を受賞するなどしている評判のブルワリー。お土産には最適です。
やがて急坂に入る手前の交差点の右手に吹き流しのある建物が見えたら、それがASOBINAのベース(受付)です。今回はパラグライダーでしたが、その他のアクティビティも受付はここになります。
鳩吹山の山道のわきには「ザゼンソウ群生地」があります。呉本さんによれば、「高地に咲くザゼンソウがこの標高で自生するのは珍しい」とのこと。ちなみにザゼンソウの英語名は「スカンクキャベツ」。形がキャベツのようなのと、開花するときに強烈な匂いを発することからそう呼ばれているそうです。

 

アプローチにも見どころ満載、一日ゆっくり伊那谷をお楽しみ下さい。



まとめ

・鳩吹山からのパラグライダータンデムフライトは、プロの安全な操縦のもと、風を感じながら伊那谷を空から眺めることができる。

・“ASOBINA”ではパラグライダーの他、マウンテンバイクガイドツアーやSUPなど様々なアクティビティが楽しめる

【営業時間】
営業時間 Activity:8:00~18:00
Base/Shop:8:00~18:00
Curry:11:00~16:00(L.O)14:00
【定休日】
Activity:不定休
Base/Shop:不定休
Curry:木曜日・第1・3・5の水曜日

【体験料金】
パラグライダータンデム:16,500円(税込み) 約1時間30分

詳細は公式サイトをご確認ください

【連絡先】
0265-98-0048

【住所】
伊那市横山9300

*この記事は、令和2年9月に取材をし、令和5年8月に更新をしたものです。
みんなの体験記ライター
投稿者滝田
年代40代
趣味ラグビー観戦・猫と遊ぶ
自己紹介伊那谷の景色に魅せられて、家族で東京から移住してきました。週末は地域の温泉巡りと、時々山登りを楽しんでいます。