みんなの体験記
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大人も子どもも楽しみ!箕輪町 町営スケート場でひと滑り
箕輪町上古田天然スケートリンク
箕輪町には、町営のスケート場があります。
箕輪町の西の山すそ、標高860mほどにある、上古田運動場に水を入れ、自然の冷え込みで凍結させてリンクを作る、天然スケート場です。

1月中旬にオープンし、土日に一般開放。一般の人がスケート場を利用できるチャンスは、1月の土日数回のみ。平日は、近くの箕輪西小学校の生徒さんたちと上古田保育園の園児さんたちが利用します。
でも、2021年は、実際にスケート場として滑ることができたのは、1週間のみでした。一度は凍りついて利用可能になったのですが、その後暖かい日があったり、雨が降ったりして溶けてしまい、再び凍ることなくシーズンが終わってしまったのです。
残念!でも、滑れた時は、とっても楽しかったんですよ。
オープンを心待ちにする町の人たち
その日を楽しみにされている町の人たちが多くいらっしゃることを、はじまる前から感じていました。おとなりの70代のおじさまは、「今日からスケート場で小学生たちが滑るらしい。様子を見てくる!」と朝7時すぎに見に出かけられました。

ご近所の保育園に通うお子さんのいるご家族は、1月に入ってから、毎週のようにスケート場を見に行き、「まだ凍っていなかった。オープンの様子もないし、今年はコロナでやらないのかなぁ・・・」と心配されていたり。
私の周りだけでも、心待ちにする声が聞こえてきました。実際、町の文化スポーツ課には、問い合わせも多く、「昨年凍らなかった分、楽しみにされている人が多いのでは・・・」とおっしゃっていました。
子どもたちよりも、大人のほうが楽しみにしている?!と感じることもありました。
いざ、天然リンクに立つ!
なんと!スケート場の利用は、無料です。スケート靴貸し出しも無料!
中央部にフリーリンク、外周部に約150mのコースがあります。

管理をしてくださっているおじさまたちが笑顔で迎えてくれます。
長年使われてきたんだなぁと思うスケート靴。でも、中敷きもきれいに手入れされています。
居合せたおじさまたちから、靴の履き方、ひもの結び方、立ち方などなど、手ほどきを受けました。

「靴ひもは、しっかりと結ばないとグラグラして立てないよ」「膝は少し内側へ、体重移動は少し外側へやるんだよ」と教えてくださるのだけれども、よくわからない・・・と思いながら、氷の上へ。

立てるけど、何故か前へ進めない。前へ進みたいのに、後ろへ進んでしまう。前へ行きたいー!けど、怖くて、これ以上動かせない・・・
そんなわけで、いい大人が「どうしたらいいの?!」と騒いでいるのを見かねたのか、近くにいた奥さまが、子どもたち用と思われる椅子をもってきてくださいました。その椅子に死守するかのように縋り付き、近所の子どもたちに付き添ってもらって一周してみました。
半周くらいですでに足が痛い・・・
私の体験は、このような情けない結果となりました。それでも、久しぶりのスケート体験は、とても新鮮で、スケートの難しさを改めて実感。くるくる回るフィギュアスケート選手やすごいスピードで滑るスピードスケート選手のみなさんは、やはりすごいなぁと思うのでした。
無料で成り立っている町営スケート場
無料で成り立っていることがすごいことだなぁ・・・と思い、いろいろとその点を聞いてみました。
聞けば、毎年終了時に、スタッフさんたちと文化スポーツ課のみなさんで手入れをしていらっしゃるそうです。スケート靴は、町が寄付を募り、地元のスポーツ店や町民の方々からの寄付で集まったもの。そのようにして、無料で靴の貸し出しができるようになったのだそう。

スタッフさんは、シルバー人材のおじさまたち。スケート好きな方々が代々引き継いでいるそうです。スケート場を楽しみにされているのは、お客さん側だけでなく、準備する側も楽しみにしているのだろうな、と思いました。おじさまたちは、「寒いでほんとはやりたくねぇ」なんて言っていたけれど、愛を感じました。
中敷きもきれいに手入れされた、無料貸し出しのスケート靴
スケートの思い出が続いていく場所
見ていると、子どもたちはもちろんですが、大人が子どもたちと一緒に来ることを楽しみにしているようにも感じました。このあたりは、雪は多くはないけれど、毎朝氷点下の世界です。「凍みる(しみる」という言葉を地元の人はよく使います。「寒さが厳しくて、ものが凍りつく」という意味です。そんな信州の冬を少しでも楽しく過ごすイベントの一つなのかもしれません。

昔の思い出話が次々と出てきました。「町の下のほうの小学校や運動場でもリンクを作っていたよ」とか、「田んぼで滑っていたよ」、「下駄スケートで滑っていたよ」とか、当時の様子を懐かしみ、本当に楽しかったんだよ―っていうお顔をして話してくださいました。
“天然リンクでスケート” 。なんてよい文化なんだろう・・・町の人にとっても誇れる場所なのだろうなぁと思いました。
箕輪町の中でも一番高い地域になるので、見晴らしもよいです。南アルプスだけでなく、霧ヶ峰方面の山々も眺められます。町外の人ももちろん無料で利用できます。なかなかタイミングを合わせないと難しいかもしれませんが、タイミングを合わせて、もしくは、運まかせ!で、ぜひ、町営の天然スケートリンクへ。
滑らなくても、とても絵になる冬らしい風景が見られると思います。
もう一度挑戦したかったなぁ・・・また来年。
スケート場ができる期間の短さが、町のみなさんの心待ち度合いを倍増させるのかもしれませんね。
■上古田スケート場
長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪上古田6947-1
期間 1月~2月頃 土・日・祝日 (見学だけなら平日も可)
※ただし、凍結している時だけです。 

開場時間
午前7時~午前10時
貸靴サイズ 17㎝~27㎝
当日の滑走可否はスケート場(TEL:0265790152)へ
平日は文化スポーツ課(TEL:0265-70-6601)
帽子・ヘルメット・手袋の着用。
けがや事故に関しては、自己責任になります。

*この記事は、令和3年3月に公開をし、令和5年8月に一部を見直したものです。
みんなの体験記ライター
投稿者太田清美
年代40代
趣味自然の中にいること、町歩き、畑仕事、季節の手仕事
自己紹介2020年4月、名古屋から箕輪町へ。自然の近くで、季節を感じながら、山々を眺めたり、野菜づくりをしたり、自分の暮らしのカタチを追いかけています。伊那谷の風景、営み、人、文化、一つ一つを味わっているところです。体感したことをいろんな人たちと共有していけると嬉しいです。