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自転車で走るだけではない!風景だけではない! 地域密着の自転車屋さんのディープなサイクリングツアー
BM Fuji
2021年4月、雄大なアルプスの眺めを楽しめる場所に、新しい町のランドマークができました。名前は「みのわテラス」。農産物直売所と地元の素材を味わえるカフェレストラン、加工所、そして、自転車屋さんがあります。箕輪町の中心部から10分、中央自動車道伊北インターから5分。地元の人も、旅の人も、立ち寄れる立地にあり、天気のよい日は、アルプスを眺めて、ひと呼吸。そんな場所です。
家からもほど近いので、私はよく立ち寄ります。買い物のついでに、自転車屋さんに顔を出し、立ち話を楽しむことがあります。愉快な看板店主がいる、その自転車屋さんの名前は、BM-FUJI。約15年間お店を営んできた町の東のエリアから、西のエリアにある「みのわテラス」に移転されてきました。

 自転車の修理やカスタマイズ、販売に加えて、移転後からはじめた新しい試みの一つが「サイクリングツアー」です。さっそく、どんなツアーなのか体験してきました。
お店にいる藤沢さん
BM-FUJIならではの視点が光る「サイクリングツアー」
お店を覗くと、馴染みのお客さんがいらっしゃって、楽しそうな笑い声が聞こえてきます。店主の藤沢さんは、どんな状況でも、その場を明るくしてくれる人柄で、自転車愛・地元愛に溢れています。そして、自転車に限らず、外で遊ぶことを企画しては、自分も一緒に楽しむことが上手な大人です。

藤沢さんとその仲間たちがガイドをしてくれるBM-FUJIのサイクリングツアーは、自転車経験が浅い人でも自然体で楽しめる空気が魅力。気持ち良い風景のなかを走りながら、出てくる話題は昭和の時代の話も多く、懐かしのテレビ番組、歌謡曲の話題も飛び交います。私もぎりぎりその時代がわかるので、懐かしみながら、笑いあいながら、のツアー。世代の違う人や知らない人も大丈夫。詳しく説明をいれてくれます。そう、こうしたお話ができるほどのらくちんスピードで、ツアーは進んでいくのです。

このあたりが、BM-FUJIのツアーおすすめポイント!の基本。そこを押さえたうえで、藤沢さんがプランニングするルートのおすすめポイントをご紹介していきましょう。
行程を説明する藤沢さん
伊那谷の坂道もへっちゃらEバイク(電動アシスト付き自転車)
 とにかく坂道が多い伊那谷。楽しんで走るには、Eバイクが最強の味方です。一度乗ってみると、その快適さを体感していただけて、やみつきになるのではないでしょうか。

 もみじ湖ツアーに参加したときのことです。この時のルートは、お店のある西側の山から、東側の山にあるもみじ湖まで。坂を下り、天竜川沿いを進み、今度は、もみじ湖までの7.4キロの坂道をぐんぐん上ります。こんなハードなコースもEバイクならおしゃべりしながら進んでいけます。帰り道は、その坂道を止まることなくスーッと下り、またお店までの坂道を上ったり。4時間上り、下りをしても、心地よい疲れを感じるくらいでツアー終了。あそこまで行ったのかぁとお店から場所を確認して、達成感を得られます。
こんな坂道もEバイクなら余裕です。
この日ご一緒したご夫婦は、同じ伊那谷の宮田村から。BM-FUJIのある「みのわテラス」から、南へ車で40分ほどのところにあります。参加は、2回目だとか。

「伊那谷の風景をみながら、自転車で走るのが気持ちいい。車で走るときは気づかなかった風景に出会える」

と、感想を聞かせてくださいました。

車では味わえない、自転車だから感じられる風、空気。自転車のスピードだから見える風景、自転車だから通ることができる道。かつ、Eバイクだから、「帰り道走れなかったらどうしよう」という不安もなく、最後まで楽しめるのです。

「長距離を走る自転車乗りだけではなく、自転車をもっと気軽に楽しめるようにしたい」というのが藤沢さんの想いです。
もみじ湖までの道の途中。西側の山を眺める。その山のふもとにみのわテラスがある
やっぱり花より団子。地元のおいしいもの。
「ここのツアーの楽しみは、地元のおいしいものを食べられること」と何回かツアーに参加されているお客さんが教えてくださいました。

 地元の和菓子店さんやパン屋さんなどに立ち寄り、おやつや軽食に。ときには、サービス付きのことも。さすが地元の藤沢さん!

    
ある日のおやつ
地元目線のガイドが嬉しい。地元の参加者さんこそガイドさん?!
旅先でレンタサイクルをしたとしても、どこへ行くかわからない不安な道へは進めないと思います。

 このツアーでは、自分では選ばない裏道や見つけられない地元スポットを案内してくれます。

 たとえば、もみじ湖ツアーに参加したときのこと。

 「この少し先に、いつも水を汲みに来ている場所があるよ」と、地元の参加者さんからの声。 藤沢さんが即座に反応します。

 「えー知らない。ここからどのくらい??ちょっと寄り道していこう。案内して!」

 そして、思いもよらぬ探検のスタートです。

 このエピソードを振り返って、藤沢さんはこう話していました。

「地元の人が知っていることをガイドしてもらうのがおもしろい。日々ここで暮らしている地元の人こそ、じつは旅を盛り上げてくれる名ガイドさんなんです」
地元の人が案内してくれた水場
水路橋を眺めながら、歴史を教えてもらう
目指すものは、町づくり
はじめての方にもおすすめの藤沢さんイチオシツアーは、「水を巡る冒険」です。この地域の水がどこから来るのか、水に関わる歴史など学びながら、風景も楽しみながら自転車で走ります。旅先を楽しみにきた人だけでなく、地元の人にも、もっと地元のことを知ってほしい、という想いから、ツアーを作っています。“大人の社会見学”と藤沢さんは呼びます。

「町の人が楽しく遊びながら町を知ることが大事。そうして、町のことを好きになる人が増えれば、町のことを考える人が増え、町がよくなっていく」と、よく話されています。

ツアーがない土日の午前は、子ども向けのイベントが開催されます。

「子どものころから自転車に触れてほしい。子どものころから楽しめる自転車文化を作りたい」そんな想いから、ランバイクという、子どもさん用のペダルのない自転車に乗りながら、障害物を越えていくコースを作り、楽しんでもらっています。店の横には、パンプトラックを作り、自転車の遊び場を運営しています。冬になると、土日の午前には自転車ではなく凧揚げがはじまることもあるのだといいます。
お店の前の芝生でランバイクを楽しむ子どもたち
自転車屋さんという顔をした、町の暮らしの魅力や楽しみ方を発信されている拠点。BM-FUJIを訪ねるたび、次は何が飛び出すのだろうか、何を教えてくれるのだろうかとわくわくします。

 はじまったばかりのBM-FUJIさんのサイクリングツアー事業については、「早く整備を進めたいけれど、ツアー1つにも想いをこめてじっくりと作りたい」と藤沢さん。ツアー中もサービス精神旺盛すぎて、寄り道が増えて、時間が押してしまうのはご愛敬!?そんな藤沢さんの想いの詰まったツアーに参加してみてください。カラダと心とアタマとで、伊那谷を体感しに来てください。
BM-FUJI(みのわテラス内サイクルテラス)
0265-96-7242
営業時間 10:00~19:00
定休日 毎週月曜日
イベント参加日は臨時休業します
ホームページhttps://www.bm-fuji.net/
*この記事は、令和2年に制作し、令和5年12月に一部内容の見直しをしたものです。
みんなの体験記ライター
投稿者太田清美
年代40代
趣味自然の中にいること、町歩き、畑仕事、季節の手仕事
自己紹介2020年4月、名古屋から箕輪町へ。自然の近くで、季節を感じながら、山々を眺めたり、野菜づくりをしたり、自分の暮らしのカタチを追いかけています。伊那谷の風景、営み、人、文化、一つ一つを味わっているところです。体感したことをいろんな人たちと共有していけると嬉しいです。