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秋の伊那谷は発見の宝庫。五感で楽しむ「大人の遠足旅」DAY2
本坊酒造株式会社 マルス信州蒸溜所(宮田村) ねらい目は午前中!大人の社会科見学と非日常で味わうウイスキー蒸留所
1949年、鹿児島県にてウイスキー製造免許を取得した本坊酒造。その後1960年に建設された山梨工場(現マルス山梨ワイナリー)に続いて1985年に誕生したのが、ここマルス信州蒸溜所です。
広々とした敷地内。無料駐車場も約20台分備えられていて安心
施設は2020年にリニューアルオープンしたばかり。蒸留所から貯蔵庫、ショップに至るまですべてが真新しいこの場所で、伊那谷の美しい自然を感じながら、奥深き蒸溜文化にゆったりと浸ることができます。
山梨県から移設し、2014年まで使用されていた岩井喜一郎※監修の「ポットスティル」が入り口近くで出迎えてくれる
※岩井喜一郎・・・蒸留研究。国産ウイスキーの生みの親として知られるマッサンこと竹鶴政孝の上司にあたる人物としても知られている。

単にウイスキー蒸留を行っているだけでなく、「これほど蒸留機(ポットスティル)との距離が近く造り手の想いも含めて体感できる場所です」と話すのは、マルス信州蒸溜所ディスティラリーショップの冨迫英明さん。

「いわゆる通常の『工場見学』では、すべてのルートをガラス越しに見るのが一般的かと思います。しかし、私たちマルスウイスキーの蒸溜所では、ゆったりとスペースを保つことにより、衛生面を確保しながら蒸留時の“香り”を体感していただきたいと考えました」
見学ルートから、2機のポットスティルを間近に感じられる
そしてお楽しみは、試飲の時間。

Barスペースでは、市場になかなか出回らない希少な銘柄のウイスキーも味わうことができます。
飲酒のできないドライバーの方には、もう一つの根強い人気商品である猿田彦珈琲の「バレルエイジドコーヒー」がおすすめ。コーヒーの生豆をウイスキー樽(バレル)に一定期間貯蔵して寝かせたもので、コーヒーとウイスキー双方の香りの相乗効果により独特なフレーバーが感じられます。
「バレルエイジドコーヒー」は、お土産用に豆の販売もされている
「新型コロナウイルス感染症の影響で、長くBarスペースをクローズにしていましたが、ようやく再開のきざしが見えてきました。より多くの方に、この小さな蒸溜所の魅力を体感していただけたらと願っています」
●本坊酒造株式会社 マルス信州蒸溜所(本坊酒造)
住所:長野県上伊那郡宮田村4752-31
電話:0265-85-4633
営業時間:9:00~16:00(Barラストオーダー,見学受付15:30まで)
定休日:年末年始 (臨時休業あり)
入館:無料(試飲はすべて有料)
駐車場:無料
https://www.hombo.co.jp/company/kura/shinshu.html
2: 光前寺(駒ヶ根市)南信州随一の名刹で、鮮やかな紅葉と日本の美を堪能
マルス信州蒸溜所のほど近くを流れる太田切川を渡れば、そこはもう駒ヶ根市。車で5分ほどの場所にある名刹「光前寺」は、春のしだれ桜や神秘的なヒカリゴケ(4月上旬から10月下旬)で知られていますが、秋の紅葉もまた見事です。
光前寺提供
本堂へ向かう参道や県指定文化財である三重塔付近は赤や黄色に色づき、建築物とも調和した格別の美しさに。紅葉シーズンは夜間ライトアップもされるため、時間を変えて訪れるのもおすすめです。
光前寺提供
●光前寺
住所:長野県駒ヶ根市赤穂29
電話:0265・83・2736
参拝時間:8:00~17:00(本堂開扉・庭園拝観・授与所は9:00から16:00)
http://www.kozenji.or.jp/
3:養命酒健康の森・駒ヶ根工場(駒ヶ根市)ここはもはや「森のなか」。開放的なカフェスペースで、のんびりくつろぎのひとときを
養命酒製造株式会社提供
マルスウイスキーとともに、伊那谷の代表的な工場見学スポットといえばここ「養命酒健康の森」。事前予約で養命酒製造の主力商品「薬用養命酒」の製造工程を目の当たりにすることができます。

加えて、予約なしでも楽しめて人気なのが、敷地内にある「くらすわ駒ヶ根店」のベーカリー&カフェ。

粉から仕込む、こだわり原料のオリジナルパンが毎朝20種類ほど焼き上げられ、挽き立てのコーヒーとともに豊かなひとときが過ごせます。
ずらりと並んだ焼き立てのオリジナルパン。このほか、ランチも
養命酒製造株式会社提供
開放的な空間で、自然と触れ合う時間がうれしい
養命酒製造株式会社提供
すぐ近くのショップは、酒蔵を移築再生したという落ち着いた佇まい。歴史ある養命酒製造の商品から地産地消をテーマにしたセレクト品までが豊富に並び、旅のお土産選びにも役立つこと間違いナシです。

●養命酒健康の森・駒ヶ根工場
住所:長野県駒ヶ根市赤穂16410
電話:0265-82-3310
営業時間:10:00~16:30
定休日:不定休
https://www.yomeishu.co.jp/komagane/
4:こまくさの湯(駒ヶ根市):散策でつかれたら、露天風呂でゆるり
各地の散策を楽しんだら、お宿に着く前に軽く、ひと風呂。早太郎温泉郷内の日帰り温泉「こまくさの湯」は、その立地とお湯の良さから登山客にも人気のスポットです。
森に抱かれるようにして建つ施設
こまくさの湯提供
アルカリ性単純泉のお湯は、するりとなめらか。お湯も熱すぎることなく、ゆっくり浸かって疲れを癒せます。

深き森を眼前に眺める露天風呂が一つ、内湯は大浴場のほか、薬湯、ジェット風呂、サウナ&冷水もあって、つい長居をしてしまいそう。紅葉の木々を眺めながら、一日の思い出をのんびり振り返るのも乙なものです。
こまくさの湯提供
●こまくさの湯
住所:長野県駒ヶ根市赤穂759-4
電話:0265-81-8100
営業時間:10:00~20:30(最終受付19:30)
定休日:水曜日
http://www.komakusanoyu.com/
おすすめのお宿 Day2  部屋ごとに異なる、多様な美しさにうっとり。旬の食材を生かした創作懐石料理と、日本庭園を望む露天風呂も好評「山野草の宿 二人静」
二人静提供
二人静提供
駒ヶ根高原の高台に位置する温泉宿。明るく広々とした洋室や落ち着いた和室等を備える本邸のほか、和創匠 松葉啓氏プロデュースの「別邸 一花一葉」、十二畳の純和室のお部屋「離れ 花心庵」など、お部屋ごとに意匠を凝らした空間づくりで愛される、地域を代表する名宿の一つです。

信州の滋味あふれる食材を生かした創作懐石料理や、山野草が自生する庭園を望む露天風呂も好評。伊那谷の自然の美と豊かさを深く味わう、特別な時間がすごせます。

●二人静
住所:長野県駒ヶ根市赤穂4-161
電話:0265-81-8181
https://futarishizuka.com/
取材・文=玉木美企子 撮影=佐々木健太