「ガレットハンティング」~長野伊那谷・サイクルツーリズムプロジェクト
コンセプト=伊那谷の絶景をめぐりながら、選ぶ~食べるを丸ごと体験。
“日本で最も広い谷”とも言われ、野菜に蕎麦、乳製品に畜産など、多くの農畜産物の産地が地域一帯に広がる食の宝庫・伊那谷。
このフィールドを生かして、
「雄大な景色を楽しみながら、この土地が育む『食』の豊かさを感じてほしい」
との想いで開発されたツアーが、「伊那谷の『美味しい』を集めてガレットに!」です。
直売所で、チームで相談しながら旬の食材を調達
南箕輪村に誕生したフランス発祥ガレットの名店「ル ブルターニュ」にて、本場仕込みのガレットを味わう
全行程は約6時間。走行距離25km、獲得標高は約300メートルの、冒険の旅。
・地元ガイドが案内する、知る人ぞ知る絶景サイクリングコースを疾走
・畑に立ち寄り、生産者から旬の農産物を購入
・ガレットの名店で「理想の味」を実食!
・個性豊かな直売所で、気になるガレット用食材をチョイス
・最後は元旅館をリノベーションした遊び場拠点に集い、揃えた食材でわいわいガレットづくり
と、サイクリングの楽しさを味わいながら、食の「選ぶ」から「食べる」までをまるごと体験できます。
みどころ1=地元ガイドだからわかる、マニアックな絶景コース
JR飯田線・伊那市駅周辺を起点に伊那谷を北上し、辰野町をゴールとするワンウェイコース。各店舗や畑に立ち寄りながら川沿いや山を走り、最終目的地である辰野町「KOUTEN」にてガレットづくりの時間をすごすのが、本ツアーのおおまかなコースです。
このコースを開発したのは、伊那谷に暮らし、日ごろから自転車で数々の「良い道」を開拓してきた自転車好きガイド二人。
伊那谷の道を熟知した二人だからこそ案内できる穴場のサイクリングコースが、ふんだんに取り入れられています。
大通りを離れた、農道の細道からアルプスの山々を間近に感じて
「自分たちが普段から『この道いいな』、と思いながら走っているルートを組み合わせて完成したのが、このコースです」と話すのは、コース作成者の一人・齋藤大亮さんです。
「川沿いから山の上まで、あえて高低差のあるルートにしたのは、見える景色のバリエーションも感じてほしいから。目線が変わるとまた違って見える、伊那谷の絶景の幅広さを感じてもらえるはずです」(齋藤さん)
地元民もなかなか通らない細道も、自転車ならスイっと快適に
天竜川の河川敷から山の中腹まで、高低差による景色の違いを楽しめるのはe-バイクツアーならでは
モニターツアーを実施した7月は、そばの花が咲くようすも見られた
みどころ2=食の現場でフードハンティング。「おいしい伊那谷」に触れる、味わう
この企画の、大きなテーマとしているのが「フードハンティング」。
その時期や季節におすすめしたい地元農家の畑や直売所を巡り、ガレットに使う食材を購入(ハント)するなかで、この土地の多様で豊かな「おいしい」との出会いを楽しむことができます。
モニターツアーでは、最初の立ち寄りポイントとして、有機野菜を育てる大塚さん(写真左端)の農場へ。野菜づくりへの想いや季節のおすすめを聞き、その場で新鮮野菜を購入した。
食のつくり手と直接話せる貴重な機会に
伊那谷では、四季折々に旬の農産物が収穫できます。このプログラムでは、催行日とその時の作物の状況に合わて、野菜農家・果樹農家など、ガレットにおススメの食材をハンティングできるコースを回ります。生産者のみなさんは、どなたもこだわりを持って、手塩にかけた農作物の魅力を伝えてくれます!
チームごとに、「ガレット予算」が設定され、決められた金額内でガレット用食材を調達。「なにを買う?」「これはガレットに合いそう」と、相談する時間も楽しい
実際のツアーでも、お支払いいただく参加費の中から、食材購入分の予算を設定。もちろん、費用を追加して豪華なガレットを作ることも自由。地元の生産者が旬の作物を直接持ち込む直売所では、新鮮野菜がお手頃価格で購入可能。
購入した食材は、ガイドがけん引する「サイクルトレーラー」(一台目)に載せて運びます
また、プロがつくったガレットを食べてみるのも「ハンティング」の一つ。
2018年に南箕輪村にオープンした「Le Bretagne(ル・ブルターニュ)」では、ガレットの本場・ブルターニュ地方にならい、南箕輪産のそば粉と塩、水だけでつくる本格ガレットの調理を見学。できあがった絶品ガレットを実食します。
南箕輪村に移住後、フランスでガレットづくりを学び店をオープンさせた楠 好延さん。あざやかな手つきと、立ち上る香ばしい香りに思わず歓声が
「Le Bretagne(ル・ブルターニュ)」のガレット
パリッと焼けた生地の香ばしさと具材のバランス、見た目の美しさもさすが。
参加者のみなさんはこのあと自分で実際に作るとの意識からか、ただ「名物を食べる」という感覚から一歩進んで、食材の並べ方を観察したり、他のメニューを参考にしたりとより深く食を堪能する姿が印象的でした。
みどころ3=最後はワイワイ、楽しいガレットづくりパーティに
山や川、森も抜けて到着した最終目的地は「KOUTEN」。ここは辰野町の元旅館をリノベーションしてつくられた、ゲストハウスやシェアハウスの機能も備える町の新たな交流拠点です。
遊び心にあふれた、隠れ家のような「KOUTEN」のイベントスペースを使って、最後はいよいよガレットづくりに挑戦します。
「KOUTEN」に到着!
ガレットとはフランス語で「丸くて平たい料理」の総称と言われることもあり、ここではレシピなど難しいルールはナシ。
ガレット生地の扱い方や、おおまかな作り方についてガイドから説明を受けたら、あとは各グループで購入した食材を使って自由にガレットづくりを楽しむ時間になります。
ツアーの達成感やこれまでのお買い物での連携も相まって、ガレットづくりの時間は「お酒飲みたいね」「このまま泊まりたい!」の声があがるほど、楽しい交流のひとときとなりました。
レシピにルールはなくても、生地は地元産のそば粉をシードルで発酵させ、ひと晩寝かせ
た本格的なおいしさ。「ガレット用トンボ」を使って、生地を丸く伸ばして
テーブルごとにまったく異なる、個性あふれるガレットに
食材一つひとつに思い入れのあるガレットは、おいしさもひとしお!
食事を楽しんだあと、伊那谷唯一の鉄道・JR飯田線でのんびり帰宅する時間もまた、旅情にあふれています。
ツアーガイドからのメッセージ
齋藤大亮さん
いわゆる観光地ではない、生活道や農道を通るのが、今回のツアーの大きな魅力。自転車で走っていると地元の方から声をかけられることもある、そんなあたたかみのある自転車旅は、伊那谷ならではの醍醐味だと思います。
体力に自信のない女性の体験も大歓迎! チームビルドをめざす法人の方などにもお勧めしたい内容です。季節によって立ち寄る場所は変えていく予定ですので、繰り返し参加いただいても毎回違った発見があると思います。
小さなお子さんはキャリアに乗せて走るなど、参加する方の年齢や体力に合わせたコースへのアレンジも可能です。まだまだ知られていない伊那谷の「いい道」と「おいしいもの」を、多くの人に堪能してもらえたら嬉しいです。
小林昭広さん
アルプスや天竜川など、伊那谷の雄大な景色をみるだけでなく、体感できるのが自転車の魅力です。車だと通り過ぎてしまいそうな、自転車ならではの道を走る。美味しいものをゲットしながら旅をして、最後に名物のガレットづくりをするなんて最高だなぁと思います。地域の宝の自然や農、食をたっくさん集めていきましょう。自転車に自信のない方も電動アシストのe-バイクがあるから大丈夫!どなたでもお楽しみいただけます!自転車旅という新しいスタイル体験してみませんか??
伊那谷サイクルツーリズム推進チーム
代表 小口良平(自転車冒険家)さん地域体験をできるのに、これほどうってつけなツアーはありません。
地域のグルメを自分で農家さんからハンティングし、そして自作して食してみる。ゲーム要素もあり、童心にかえることができます。
季節によって、ツアーでの立ち寄りが変わるのも、このツアーの魅力です。
ガイドが地域住民と仲良くなっているからこそ、成立する企画。
冒険心ある子供や大人、ファミリーにおすすめです。
ガイドは、教育観点もしっかり学んでいます。