「美味しいりんごができるまで」~長野伊那谷・サイクルツーリズムプロジェクト
おすすめポイント=ガイドは三代目りんご農家! 見て、聞いて、食べて、伊那谷のりんごを味わい尽くす旅。
りんご栽培の南限に位置する、ここ伊那谷エリア。旅をすればあちこちに、りんご農園があることに気づく方も多いでしょう。じつはこの地は、寒暖差の激しい盆地気候や日照時間を生かした、知る人ぞ知るりんごの名産地。近年は新規就農者や若き後継者が誕生したり、りんごを使ったシードルの醸造所も生まれたりと、新たな盛り上がりも見せています。
とはいえ、「りんご」とひとくちに言っても、品種も栽培方法も多種多様。知れば知るほど奥の深いその世界を、自転車を愛する若きりんご生産者が自らガイドするのがこの「美味しいりんごができるまで」ツアーです。
りんご農家によるガイドで、意識しなければ通りすぎてしまうりんご栽培の風景にも出合える
全行程にかかる時間は、約4時間。走行距離35kmの周遊コースの標高差はなんと679メートル! 2つのアルプスに抱かれた河岸段丘の地形を存分に生かして、遠くアルプスを眺めたり、川にかかる橋を渡ったり。変化に富んだ景色や道をたっぷり楽しみながら走行できます。
上り坂が心配・・・という方も、大丈夫。e-バイク(電動アシスト自転車)でのツアーのため、体力に自信のない方やサイクルツアー初心者の方でも、安心して走ることができます。
みどころ1=土地を知るメンバーだからできた、とびきりの絶景&マニアックな農道のバリエーション豊かなコース
今回のツアーを企画したのは、地元伊那谷出身の三代目りんご生産者。
「伊那谷という土地で、このガイドメンバーだからこそできるコースをつくりたかったんです」とは、企画者の高橋央さんです。
高校時代から自転車好きで、日本周遊の自転車旅も経験する高橋さん。本ツアーのコンセプトについて「せっかくりんご農家である自分がガイドするので、『サイクリングとりんご狩り』だけでは終わらない、突っ込んだ話ができる内容を意識し、立ち寄り場所やコースを決めていきました」と話します。
コースには、高橋さんが自転車トレーニングのため走っていたお気に入りの道も、ふんだんに取り入れられているのだとか。
「安全を大前提に、『走っていて楽しい、気持ち良い』道を選びながら、りんごが育つ様子も感じられるコンセプトにあった周遊コースに組み立てました」と、高橋さん。車では通ることができない踏切や、止まることなく走り続けられる交差点のない道など、自転車好きだからこそわかる「ワクワクポイント」がたっぷり盛り込まれています。
車通りの多い国道を離れて、自転車ならではの細道ルートへ
天竜川にかかる、小さな橋をわたる
森や天竜川をすぐ近くに感じながら、冒険気分を味わえる
橋の上で記念撮影
見どころ2=伊那谷のりんご栽培の世界を見て、触れて、たっぷり学べる
りんご園の横を疾走
ツアータイトル「美味しいりんごができるまで」のとおり、今回はりんご園のある風景のなかを走ったり、実際に立ち寄って生産者に話を聞いたりする時間がたっぷり盛り込まれています。
昔ながらの「自然樹形」から、近年日本にもたらされた「高密植栽培」まで、各農家の栽培方針はさまざま。「そもそも苗木を植えてから安定的にりんごが実ってくれるまでには数年、ときには10年近くの時間がかかります。そんな時間軸にも思いを馳せてもらえるよう、苗木を栽培している現場にも立ち寄ります」(高橋さん)
その内容の濃さは、ツアー参加前とあとでは、見える世界が変わってしまうほど。実際の果樹を目の前にし、生産者から直接じっくりと話を聞く生きた学びは、他ではなかなか体験できません。
もう一人のガイドである矢満田務さんも、「『りんご』というテーマをもって走ると、ここに暮らしている私たちでさえ、景色の見え方が変わります。りんご好きな方はもちろん、『移住して農家になりたい!』と考えている方などにも参加してもらえたらうれしいですね」と話します。
走行中にりんごの樹の存在を伝える矢満田さん
ガイドの高橋さん自ら作成した資料を使い、りんごの世界を熱く解説
生産者の井口さんによる、最新の栽培方法「高密植栽培」のレクチャー
りんごの樹を前にした栽培の体験談は、知識をよりリアルに感じ、受け取ることができる
みどころ3=おすすめのカフェやショップに立ち寄り、絶品りんごスイーツを堪能
「知識だけでなく、りんごのおいしさも楽しんでほしい!」そんな思いも込めて、今回のツアーは休憩時の立ち寄りグルメも「りんご」がテーマ。
天竜川を見下ろす絶景が楽しめるカフェでは、本ツアーのために開発されたりんごのパンやドリンクを味わえるほか、道の駅では高橋さんが一部原料を提供しているアップルパイも堪能できます。
中川村の人気店「暮らしの工房こねり」では、ツアーにちなんだりんご入りパンや、すりおろしりんごとジンジャーのさっぱりドリンクでひと休み
中京圏からの移住者でもある「暮らしの工房こねり」大池さおりさん。移住や古民家DIYの体験談を聞く参加者も
道の駅「花の里いいじま」では、伊那谷のローカルフード・五平餅に加え、焼きたてサクサクのアップルパイを味わうひとときを
みどころ4=収穫期には、ガイドが営む農園でりんご狩りも!
本ツアー最大の山場は、なんといってもガイドである高橋さんが営むりんご園「若松園」での時間。自らのりんご園の歴史や栽培の工夫、りんご樹の特徴等について、知識と経験を総動員して話してくれます。
そしてお待ちかね、りんご狩りの時間も! りんごの収穫時期に開催するツアーでは、「おいしいりんごの見分けかた」のレクチャーを受けながら、実際にりんごをもぎとり、その場で味わうことができます。
大地に腰を下ろし、緑の中を吹く風を感じながらりんごを味わう時間は格別。伊那谷の美しい景色に抱かれながら、りんごとともにその景色を育む人々の想いを、しみじみと受け取ることができるはずです。
りんごの木の下で、熱いりんごトーク。あらゆる角度からの質問に答える知識と経験はさすが
食べごろを迎えたシナノピッコロ。小ぶりな姿が愛らしい
愛らしいりんごを前に、思わず笑顔に
高橋央さん
安全なサイクリングのためのポイントも、事前にお伝えします
りんご一つにも花からの一年、苗木からの数年数十年の時間と農家の努力が詰まっているのを知っていますか?
地元果樹農家に生まれて育った私にとっての当たり前の道、当たり前の風景を魅力として皆さんに伝えられることがとても嬉しいです。
自転車でしか出会えない光景をりんご農家の目線で知識、経験の限りお伝えします!
矢満田務さん
e-バイクの乗りかたのレクチャーや、自転車の高さ調整も万全に行います
登山者が憧れる中央アルプスと南アルプスに囲まれた伊那谷。数十万年に及ぶ地殻変動の先に現在の姿となり、私たちは山から水を得て、この地で農作物を育て生活しています。こちらのツアーは、りんご農家がガイドとして参加し、長野県の代表的なフルーツであるりんごの栽培について知ることができます。
私たちと一緒に伊那谷を縦横無尽に走り、自転車で走る楽しみを体感してみませんか?
伊那谷サイクルツーリズム推進チーム 代表 小口良平(自転車冒険家)さん
よく熟れたりんごが美味しいように、よく熟れたサイクリングガイドによるツアーはいかがでしょうか?
きめ細かな配慮とおもてなし、何よりも笑顔が素敵なガイドさん。
知識と経験豊富なガイドトークで、りんごの味が数倍美味しく感じられます。
甘みだけでなく、酸味や苦みを長野県のりんごの文化歴史伝統を通して伝えます。
ツアー終了後には、どうして若手りんご農家がこの伊那谷でりんご農家を続けるのか、味と風景と五感を使って理解することでしょう。
りんごの最盛期、日照時間の長さで真っ赤に染まった長野県のりんごを、サイクリングツアーと共に堪能してください。