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#21 わたしの絶景(清沢佳世)
家から歩いて30分ほどのところにある丘の上の公園。
坂を上り、子どもたちが遊ぶ遊具地帯を越えた先にある広場は
のきなみ人がおらず、
ひとりでぼーっとするにはうってつけの場所である。
お城があったというその丘の上からは伊那の街並みが一望でき、
風に吹かれながらその景色を眺めていると、
心の中まで風が通って清々しい。
眺望のよい場所に立つ桜の木の隣にいると、
やさしく穏やかな気持ちになる。
何度も何度も繰り返される春夏秋冬、
ここでずっと街と人をみてきた桜さんは
どんなことを思い感じているのだろう?
一見なにも変わっていないようで
二度と同じ景色はない。
変化し続けるわたしたちを、
きっとずっとおもしろがって見てくれているんだろうなと思う。
イラスト・文

清沢佳世

イラストレーター
長野県出身
多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業
東京で様々な仕事をしながら制作活動を続け、
2020年初秋、地元に引っ越し、
2021年正月から伊那谷での暮らしを始める。
イラストレーション制作のほか、
こけしの絵付け販売もしています。

ホームページ:https://kokeshidoh.main.jp
インスタグラム:@kiyosawakayo