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⑥中央アルプス檜尾避難小屋 令和の大改修プロジェクト プロジェクトに関係する方々の願い
中央アルプスにゆかりのある皆様より、本プロジェクトに対するそれぞれの思いをお寄せいただきました。(敬称略)
・檜尾友の会 初代会長 木下 寿男
檜尾避難小屋の最初の小屋は、昭和28年の秋に中ア縦走路で遭難し亡くなった方の親が、今後このような痛ましい事故が起こらないようにと、檜尾岳の東斜面に2、3名が隠れるほどの小屋を建てたのが起こりである。

 その後、昭和36年に現地の石(花崗岩)をほぼ人力で加工・石積みした石室小屋を建設し多くの登山者を守ってきたが、台風の強風で屋根が飛ばされるなどの被害もあった。現在の場所に移転設置された後、昭和63年に現在の避難小屋へと改修された。

 山小屋には必ずと言っていいほど「雑記帳」が備えられているが、これまでの記録を回顧すると、多くの利用者から感謝の言葉が寄せられており、中には「この小屋に助けられた」といった緊急避難時のメッセージも残っている。

 中央アルプスは、ロープウェイがあることで比較的容易に高山帯までたどり着くことができるが、そこから先の登山道はひとたび状況が変われば登山者に容赦なく牙をむく。

 今回、檜尾避難小屋が有人小屋に生まれ変わるとのことだが、これからも登山者の安全と安心を確保できる拠点として中央アルプスを見守ってもらいたいと切に願う。
・山岳写真家 津野 祐次
私が中央アルプスに入山を開始したのは半世紀ほど前のこと、檜尾岳山頂から望む山岳展望は素晴らしく、朝夕の光景を求めて石室付近にテント泊したことが想い出されます。その後、斬新なドーム型避難小屋ができ、冬将軍が到来すると、食料や撮影機材を背負った私には援軍となってくれました。

 雪の消えた季節、高山植物や紅葉を愛でつつ、稜線漫歩を楽しむ登山者にとって、避難小屋の増改築と幕営地新設は、次代に呼応した待望の事業となるでしょう。

登山者の安全と自然界の保全、相対するこの二極を考えると、登山最盛期に管理人が常駐すれば、計り知れない恩恵があると私は考えます。
・中央アルプス観光株式会社 代表取締役社長 森部 浩昌
尾避難小屋のリニューアルおよび有人化計画をワクワクしながら伺いました。長野県内での登山者数は近年増えているそうで、ますます弾みがつくとの期待が膨らみます。

中央アルプス縦走路における登山者の安全・安心をサポートし、時には人命を守るための重要な役割を果たしてくれるとともに、山の環境を守り、維持していくことにもつながります。また、ロープウェイを利用した千畳敷~空木岳ルートはチャレンジがしやすくなることでしょう。

2020年3月には中央アルプスが国定公園に指定されました。この貴重な自然の景観を後世に残し、より多くの登山ファンに楽しんでいただくために、皆さまからのサポートをいただければ幸いです。
・南信州山岳ガイド協会 林 秀也
檜尾避難小屋を有人小屋に増改築することは、多くの登山者にとってとてもうれしいことだと思います。

木曽駒ヶ岳より空木岳、南駒ヶ岳への縦走は、中央アルプスを満喫できる楽しいルートであります。しかし、距離が長くアップダウンが激しいため、ためらうコースでもあります。

従来の檜尾避難小屋は狭くまた無人のため、緊急避難にしか使用できませんでした。ですが、有人小屋になれば檜尾避難小屋は、縦走路の中間点に展望抜群の立地環境を有する申し分のない快適な宿泊施設となります。登山者は安心して中央アルプスの縦走を楽しむことができます。様々なルート選択もでき、縦走を何度でも満喫できます。

今回の事業により、自分なりの大満足な山旅がでるようになります。最高ではないでしょうか。期待しています。
・山岳ガイド 菅原 久美子
檜尾避難小屋は、私の大好きな避難小屋の一つです。青空の下、稜線上にポツンと建つ赤い屋根のその姿はとっても可愛く、小屋を去った後も何度も振り返っては眺めてしまいます。

しかし、この小屋は愛らしいだけでなく、長い縦走路において欠かせない存在です。標高2700mを超える吹きさらしの稜線が続く中、この場所に小屋があることで、どれ程の安心感が得られるでしょうか。

現在、檜尾岳まで足を伸ばす方は多くはありませんが、有人小屋になることで、より多くの方が、安全に、素晴らしい中央アルプスの稜線歩きを楽しむことができるようになると期待します。

また、私がお手伝いしている駒ヶ岳頂上小屋のテント場は、たくさんの登山者が来てくださり大賑わいですが、檜尾岳にテント場が出来ることで、登山者の分散につながり、ポストコロナ時代において、不安要素を減らし、大自然を満喫できることと思います。
・中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会 登山相談員会長 唐木 真澄
天竜川と木曽川に挟まれ、アルプスの中では唯一県境ではない中央アルプスが国定公園に認定されました。お花畑を登り、稜線の景色を愛でながら高山を歩く事は登山者にとってこの上も無い喜びです。

ここで忘れてはならないのは新田次郎の小説で有名になった、箕輪尋常高等小学校の遭難です。折からの台風並みの悪天に遭遇し11人もの尊い犠牲者を出してしまいました。

この事で立ち上がったのが地元伊那の方々です、広く全国に呼びかけ、将棋頭に伊那小屋を建て(現に西駒山荘)登山者の行動範囲拡大と安全を確保しました。

近年山小屋の主人が止めるのも聞かず、悪天の中出発した韓国人パーティーが遭難死、4名の犠牲者を出してしまいました。この事に心を痛めた駒ヶ根市は最近の登山事情を考慮しながら、稜線の中間にある檜尾岳避難小屋を増築し合わせて隣接地にテント場を整備し、登山者の安全と自然を守る拠点とします。

全国の登山者皆様の心からの応援をおねがいします。
・中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会 救助隊長 北原 大司
檜尾岳は、千畳敷カールと空木岳のほぼ中間にあります。檜尾避難小屋は、稜線から少し張り出したところにあり、中央アルプスでは最も見晴らしが良い小屋として知られています。昼間の見晴らしはもちろん、星空を楽しむにも最高のロケーションです。現在は無人の避難小屋ですが、満員になることも多く、岳人たちが集う人気の小屋です。

また、中央アルプスは魅力的な縦走が楽しめる山域です。山は危険と隣り合わせであり、安全第一が求められます。万が一の時にも、この小屋が有人の小屋になることで、山の安全のための重要な拠点として活用できます。

多くの皆さんに山を安全に楽しんでいただくためにも、有人化にぜひご協力ください。
・株式会社 ヤマップ
今回のプロジェクトをより多くの山岳愛好家の皆様に知っていただくため、登山アプリ・Webサービス「YAMAP」を運営する株式会社ヤマップ(福岡市、代表取締役春山慶彦)とコラボレーションしています。

YAMAPは、電波が届かない山の中でもスマートフォンのGPSで現在地と登山ルートがわかる、“安心安全”の登山アプリです。山行の軌跡や写真が活動記録として日々投稿されているので、山の情報収集に活用したり、全国の登山好きと交流したりもできる、日本最大の登山・アウトドアプラットフォームです。

 山を楽しむだけでなく、山を守ることについても考えるきっかけをつくり、中央アルプス国定公園、檜尾避難小屋への造詣を深めてほしい。そんな想いから、今回のプロジェクトを全面的にバックアップいただくこととなりました。
【ふるさとチョイスHP】
檜尾避難小屋改修プロジェクトへの寄付はこちらから↓
https://www.furusato-tax.jp/gcf/1185