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高遠石工のふるさと伊那谷
「高遠石工」をご存知でしょうか?
「高遠石工(たかとおいしく)」とは、江戸時代、信州高遠を拠点に全国で活躍した、石材加工の職人集団のこと。彼らは全国各地に出向き、優れた技術で石仏・石鳥居・石垣・石橋・供養塔など多くの石造物を造りました。江戸城やお台場(品川浦御台場砲台)の工事にも関わったとされ、その作品は、北は青森県、南は山口県の18都府県に散見されます。

伊那谷には、彼らが手掛けた数多くの作品が、人々の暮らしに寄り添うようにして大切に残されています。今、この作品の芸術性と、歴史的文化財としての価値が再評価され、石仏ファン・歴史ファンなどを中心に密かなブームを巻き起こしているのです。高遠石工の作品を巡るイベントやセミナーには、伊那谷内外から多くの人が集まります。

また、調査・保存・継承する動きも進められています。石仏には、銘が刻まれていないものが多く、まだまだ多くの謎が残っており、そのミステリアスな魅力は人々の心を惹きつけてやみません。点と点がつながって線になるように、歴史を解き明かしていくことも楽しみのひとつ。ぜひ、高遠石工のふるさとを訪ねてみてください!